褒めて伸ばす

今日の稽古は、昨日の稽古とほぼ同じ内容で行いました。
14日(土)にトーナメントを行うことにしていた為、このところ組手の稽古ばかりをしていました。
中休みという事と、実戦を経験した後で基本に帰るという事で、今週は基本をみっちり稽古します。

組手試合で心の弱さを感じる子は、基本や移動を全力で行っていません。
私が遠くにいる時は、あからさまに手を抜いています。
あえて遠くに離れてその子を見ているのですが、見られている事に全く気づかず、超スローな手技と、膝ぐらいの高さまでしか足を上げない足技をしております…
今までは厳しく注意していたのですが、全然改善されないため指導法を変えてみました。
私が遠くにいるとき、手を抜いていても注意しない。
しかし、私が近くにいったら物凄く頑張るので、その頑張っている姿を褒めるようにしてみました。
「褒めて伸ばす作戦」です。
この子には、しばらくこれでいってみます。

親御さんが、「基本や簡単な事やのに手を抜くな!」と叱っているのをたまに耳にしますが、基本ってやりようによっては組手よりキツいんです。
空手未経験の方には分からないと思います。
道場では、厳しい・怖い・口うるさいのは、他人である私だけでいいんです。
休憩時間、または稽古の最中に親から怒られると、子供は萎縮して失敗を恐れて動作が小さくなります。
周囲を見てから動くため、動作が遅くなります。
自発的に動いているのではなく、他人の真似をしているだけなので、その動作を理解出来ていません。
間違った動作をとってしまったら、あわてて後ろを向いて自分の親の顔色を伺っているため、更に動作が遅れます。
注意するタイミングも考えて指導しています。
各児の年齢や空手の技術に応じた注意の仕方をしています。
稽古中に注意できるのは、たとえ相手が我が子であっても、黒帯を持つ人だけです。
私はお預かりしている大切なお子さんを、闘犬の犬かのように鍛えるつもりは全くありません。
「人間力」が向上するように指導しています。
厳しい言い方になってしまったかもしれませんが、大切なお子さんの成長を真剣に望むのであれば、空手の事は全て私に一任してください。
お父さんとお母さんは、結果や出来はどうであれ、頑張っている姿を褒めてあげてください。
親に褒められることが、子供は一番嬉しいんです。
私に褒められるよりも100倍は嬉しいはずです。