1分鬼

太田道場では、成合道場と稽古の仕方を変えています。
太田道場はダンススタジオなので、その特性を活かせるように考えて指導しています。
大きな鏡がたくさんあったり、バレエ用の手摺りがあるので、型や蹴りの稽古が凄くしやすいのです。
また、春から秋口にかけては、稽古前に道場の外をランニングしていました。
ランニングもしやすい立地なのです。
しかし、最近は日が落ちる時間が早くなってきた為、真っ暗な中を子供に外を走らせるのは危険なので一ヶ月ほど前から中止しています。
よって、それに変わるものが必要になりました。
そこで考案したのが、道場内での「鬼ごっこ」です。
「なぁ~んや」と言われると思いますが、少し空手風に工夫しています。
私は「1分鬼」と名づけています。
タイマーを1分にセットして、私が鬼を指名してゲームが始まります。
道場内をダッシュして鬼が追いかけます。
逃げ切れず、タッチされると鬼になります。
屋外ではなく狭い道場ですから、次々に鬼が入れ替わります。
私が時間経過を大きな声で言います。
「ラスト10秒~!!」
子供たちのペースが上がります。
「やめ~!!」
開始1分の時点で鬼だった子が負けになります。
負けた子は、腕立て伏せなどの補強運動をしなければなりません。
そしてまた次のラウンドが始まります。
これを何回も繰り返します。

1分や1分30秒といった、試合の時間の感覚に慣れることと、「ラスト10秒」でさらにペースアップすることを習慣付けるのに役立っています。
走り回るので体力もつくし、体も温まります。
タッチしようとしたり、それを避けたりといった行為は、組手に通じるものがあります。
冬場の太田道場は、稽古前にこれを続けていきます。
稽古開始時間になると、さっきまでの楽しい雰囲気から、厳しい「稽古」の時間に変わります。
こういった、「けじめ」のつけ方を学ばせるのにも役立っているようです。

先生主導で、道場内で鬼ごっこをさせるのは良くないかな、などと思いながら始めた「1分鬼ごっこ」ですが、今のところ良い効果ばかりが出ています。
1分間、ダッシュで走り続けることは非常にキツイはずなのですが、みんな楽しんで走っています。
この冬が終わる頃、太田道場の子供たちの敏捷性とスタミナが、相当上がっているはずです☆
私はそれを楽しみにしています♪