板割り

当道場では、小学生以下の生徒には「出席カード」を配布しており、稽古に来る毎にシールを貼っていくというシステムを採っています。
で、シールが一定枚数溜まると、杉板を割る「試し割り」を行うことが出来ることになっています。

最初は、利き手の手刀。
次は利き手の正拳下段突き。
次に逆の手の手刀。
そして利き手の逆の正拳下段突き。
という風に、少しずつ難しい種目に変わっていきます。

五回目からは、試技を自由に選べるようにしています。
ある子は手持ち板へ裏拳を。
またある子は上段廻し蹴りで。
前屈立ちの追突きや逆突きで挑戦する子もいます。

前フリはこのぐらいにします☆

今日はナオヤのシールが溜まったので、板割り挑戦の日でした。
前々から、私はナオヤに
「跳び横蹴り」での試技をアドバイスしていました。
なぜかというと、ナオヤが当道場で跳び横蹴りが一番上手だからです。

挑戦すること二回。
いずれも失敗でした。
そして三回目。
三回失敗すると、板割りはそこで終わりとなります。
緊張の三回目。

助走をつけて大きくジャンプ!

板を持つ私の手に強い衝撃が!

パンッ、という乾いた音が道場内に響きました。

拍手喝采です!!!!

組手試合の勝率は良くないナオヤですが、跳び横蹴りに関してはかなりの上手さです。
ナオヤの体型だけを見ると、とても跳び蹴り系が上手な子には見えないのですが(失礼!)
今後も心身共にしっかりと上達してほしいと願います。

春は新たに入門する人が多い反面、去っていく人も多かったりします。
親が、
「うちの子には無理」
という場合が少なからずあります。

私は、空手は誰でもできるものだと思います。
「無理」ということは絶対にありません。

「空手に何を求めるか?」ではないでしょうか?

世界チャンピオン?
そこまで言わなくても、試合での勝利?
武道修行を通じての心身充実?
いやいや、ひとつのことを継続し続けるという根気を養うため?
または健康のため?

道場生本人、そして保護者の皆様の求めるものを与えられるよう、ひとりひとりの生徒をみて指導しています。
競技試合が向いている子もいれば、キツイ言い方になるかもしれませんが、競技には全く向いていない子もいます。
型の稽古など、地道にコツコツ積み上げることに秀でている子もいます。
今日のナオヤのように、跳び蹴りの稽古に素晴らしい才能を見せる子もいたり。

全ての子供たちや道場生が、私のように20年以上空手を続けるとは思っていませんが、出来る限り長く学んでほしいと思っています。
なぜ私が22年も空手を続けているかというと、続ける価値があると思っているからです。

送迎も大変だと思います。
しかし、道場で学ぶことは非常に多くあります。
親や学校では教えられないことを道場で教えているつもりです。

今日はナオヤの板割りに感動してしまいました。
ナオヤの自信に満ちた顔を見て、幸せな気持ちになりました。