礼儀

それぞれの状況に適した礼儀作法というものがあります。
学校、職場、そして道場。

夜に会っても、
「おはよう!」と挨拶する職場もあります。

当道場は、私の考えである、
「礼法は強制されてするものではない」というものに基づいて指導しています。
幼い子供に関しては、真っ白な状態なのである程度の強制はしますが、本位ではありません。
大人に関しても、強制するつもりは無いのですが、この最近、礼法の乱れが気になるようになってきました。

これは、当道場の建物の造りが影響しているのだと思います。
稽古場から入り口が見えない、逆に言うと、入り口から道場内にいる人が見えないので、挨拶を適当にしても(又はしなくても)分からない、ということが影響しているのではないかと思います。

「強制しない」というのは、しなくてもよいというのではありません。
するのが当たり前だから強制していないのです。

道場に入る際、入り口にて道場に礼をします。
「押忍、お願いします!」
と言う決まりがあります。
道場には神様が奉られています。
その神様に挨拶をするわけです。

そして入場。
先生や先輩を見つけたら、
「押忍!」
と挨拶をする。

稽古時間中は、素直で謙虚な気持ちで真剣に取り組む。
「え~っ」が口癖の人は、素直さも謙虚さもありません。
また、年齢や社会的な肩書きも関係ありません。
謙虚な気持ちを忘れてはいけません。

稽古を終えて帰宅する際も同様です。
道場を出る際、出口にて、道場内に向かって
「押忍、失礼します」(又は、「押忍、ありがとうございました」)
と言います。
これは、道場に、そして道場に奉られている神様に挨拶をしているのです。

礼法について、入門時に口頭で説明しています。
道場の入り口に、入退場時の挨拶の仕方を書いた文章を掲示しています。
また、その中には敬称のつけ方も記しています。
「知らない」は通りません。

稽古中に名指しで技の乱れや謝りを訂正してもらったら、返事をするのが最低限の礼儀です。
「ありがとうございました」までが言えれば、尚良いでしょう。

先生や先輩にアドバイスをもらって、
「えぇ」や「ふーん」「なるほど」…
こういう返事しかできない子は、日頃の生活においてもそのような返事をしているのだと思います。

気づいていないのでしょうが、「生意気なヤツ」と思われて、色々と損をしていることでしょう。

礼法の外形も大切ですが、本当に大切なことは、心を尽くすことです。
心の乱れは、言葉の端々や態度に現れます。
心が乱れている人間は、技も乱れます。
上達も遅れます。
チャンスも巡ってきません。