才能

いよいよ道場内が本格的に暑くなってきました。
よって、私の話を聞いていなかったり、稽古に身が入っていない子が出てきました。
「暑いから大目にみて、そういう行為は許す」ということはしません。
逆に、暑いからこそ、集中してしっかり気合を入れて稽古しなければなりません。
でないと、暑さにやられて倒れたり、不注意で事故やケガが起こったりします。

稽古前の水分補給。
基本稽古は十分に気合を入れて、集中力勝負の稽古をします。
基本後は長めの休憩で、水分補給と扇風機などに当たって体温を下げることをします。
その後は日によって稽古の流れが違いますが、稽古中は目いっぱい動いて、休憩の時はしっかり休むを繰り返します。

このシステムで長年していますが、熱中症や脱水症になった道場生は皆無です。
むしろ、夏を経験することで全体のレベルが向上します。

大人の道場生は、夏場は

「仕事で疲れたので今日は稽古を休もう」

という思考になりがちです。
時候の良い春や秋は頑張るけど、夏や冬に頑張れる人は少ないものです。
しかし、夏こそ頑張るべきなのです。
夏を乗り越えた時、体力も技も精神力も、数ランク上に上がっていることを実感できます。

さて、今日は新しい帯をお渡しする日でした。
さやきの緑帯がとてもかっこ良く、休憩時間はみんなが傍に寄ってきて帯を触ったり眺めたりしていました。
稽古中も、さやきの緑帯を横目でチラチラ見ている子が多かったです。

さやきが入門した頃、誰に憧れていたのか知りませんが、今はさやきがみんなの憧れの的になっています。
組手が強くて型が上手く、そして後輩に優しい彼は、憧れの先輩の見本のような人物に育ってきました。
今後も頑張ってほしいと思います。
また、さやきに憧れているみんなも、頑張ればさやきの様になれます。
必ずなれます。
なぜなら、さやきは空手のセンスが全く無い子でした。
しかし、努力によってあそこまでの実力をつけました。
また、今も努力を続けて、更に実力を上げています。

「才能とは、努力ができることである」という言葉を聞いたことがあります。
さやきはセンスは無かったかもしれませんが、最高の才能を持った子だと思います。
私もさやきに負けないように、努力を続けていきたいと思います。