怪我と回復

空手の稽古において、たまに怪我をすることがあります。
私は柔道整復師(接骨院や整骨院の先生のこと)なので、空手の稽古で発生する外傷の評価診断と応急処置はできます。
簡単な脱臼だとすぐに整復しますし、アイシングや固定もします。
で、念のために、翌日に痛みが強く残っている場合は病院に行くように勧めます。

そこで医者から言われることは「安静」です。

完全骨折や筋や靭帯の完全断裂であれば、もちろん絶対安静だと思います。
しかし、そうでない場合は、できる運動は続けた方が治癒が早くなります。
理由はなんとなくは予想がつくのですが、不確かなことなので書くことは控えます。

例えば、肋骨にヒビが入ったとします。
完全に稽古を休んでいたら、痛みがひくのに約一ヶ月かかります。
しかし、稽古を続けていたら、一週間ぐらいで痛みが和らぎ、二週間程度で痛みが無くなります。

スネや前腕の打撲もそうです。
消炎鎮痛剤や湿布を貼って安静にしていたら、一週間経っても痛みはひきませんが、何も処置をせずに翌日から稽古を続けていたら、痛みが消えるのに一週間もかかりません。

これは私の経験談であり、うちの道場生に聞いても同じことを言います。

切り傷をオキシドールなどで消毒することが以前は常識でした。
しかし、今の医療会の常識では、消毒はせずに水で洗い流すのが一番、となっています。
消毒をしたら、確かにバイ菌は死ぬけど、良い菌まで殺してしまうので、治癒が遅くなるのです。
私が大きな切り傷を作って病院に行った時、担当して下さった先生にそう聞きましたし、後日に文献などを調べたらそのように書かれていました。
それ以来、当道場では応急処置の際に消毒はしなくなりました。
水で洗って、あとは創部を湿潤状態に保つ処置をします。
(注・創部が泥よごれなどで著しく不潔な場合は消毒が必要です)

空手では「部位鍛錬」ということをしますが、医学的には骨にコツコツ衝撃を与えても骨は強く・硬くならないことになっています。
しかし、部位鍛錬をしている人は分かると思いますが、確実に強くなっていますよね?
この謎も私はまだ解けていません。
例えば正拳の部位鍛錬を長年していたら、拳頭の骨自体が確実に大きくなってくるし(タコではない)、硬く・強くなっている実感があります。

昨日の常識は明日の非常識だったりします。
今後も勉強です。