克己の精神を涵養する

道場訓にある「克己の精神を涵養すること」の一文。

これは、もしかしたら指導者や親に向けてのものかもしれません。

「涵養」という言葉、意味を説明出来る人はどの位いるでしょうか?

 

涵養(かんよう)とは、

水が地面にゆっくりと染み込んでいくように、無理をせず、時間をかけて少しずつ養い育てることという意味です。

目の前の試合の結果を受けてだったり、

ほんの2〜3年、かじっただけで結論を出すのではないのです。

 

錬成大会で経験してもらいたい事は、

「負ける事」なのです。

それにより、

強くなりたい、勝ちたい、

何よりも、弱い自分に負けたくない、

そんな精神を養ってほしいのです。

 

十数年前、高松市錬成大会の前身である支部内練習試合に於いて、

あるお父さん道場生からお聞きしました。

「空手の組手の試合は、

相手と戦っているのは最初の30秒位でした。

後は自分との戦いでした。

息子と娘も見ている前で、

自分に負ける事は出来なかった。」

結果、見事優勝。

 

上記のお父さんのように、優勝する人もいますが、ほとんどの人はどこかで負けます。

大切な事は、その経験を今後の稽古や人生にどう活かすのか。

 

困難から逃げず、自分に負けない。

 

それが出来る人間は、今後の人生でも成功するでしょう。

でも、いきなりは出来ないかもしれません。

そこで、「涵養」です。

時間が必要です。

 

錬成大会は、負ける経験を積んでほしい。

それは、今後の心身の成長のため。

 

勝ち上がっての結果が評価されるのは全日本大会です。

その辺りを理解していない人が、

錬成大会後に退会を申し出てきます。

それが私は何よりも辛く悲しいです。

大会を一つ作り上げるのに、それなりの時間と労力を要します。

正直、とても大変です。

でも、みなさんの成長を考えたら、

絶対に必要な経験となるので頑張って準備しています。

黒帯のみなさんが大会スタッフとして参加してくれるのも、

自身が白帯や色帯だった頃、

錬成大会で心身ともに鍛えてくれた事への恩返しなのです。

 

錬成大会は、

勝てば良いのではありません。

負けたらダメなのではありません。

 

試合を経験して、

克己の精神を涵養してほしいのです。

心身ともに強くなるためと、

自身の明るい未来のために。

 

高松西道場。

 

高松東道場。

 

ジョイフィット丸亀教室。

 

丸亀南道場。

高松市空手道錬成大会で、

型も組手も敗者復活戦も、

全敗だったお子さんがいます。

会場で大泣きしていました。

私も自身がそうだったら大泣きしてると思います。

で。

もしかしたら、

今日、辞めると言ってくるかなと思っていました。

が。

めちゃくちゃ元気よく道場に来て挨拶して、

今日の稽古では誰よりも気合いを入れて頑張っていました。

返事もとても大きな声で。

そして、

強くなる、次は勝ちたい、そのように言ってくれました。

何よりも嬉しい言葉です。

大会の準備から後始末までの疲労が一気に取れます。

 

私は、このような言葉が聞きたいです。

また、このように前向きな、

稽古への取り組み方の変化を期待しているから錬成大会を実施しているのです。

 

負けを経験する事で上には上がいる事を知り、

良い結果には必ずそれ相応の努力が必要だと気付き、

敗者の気持ちが分かる勝者に育ってほしいのです。

 

親なのか友達なのか。

友達であれば、その人が言う事や意見を肯定し尊重してあげれば良いと思います。

親であるならば、若い頃の苦労は買ってでもさせるべきだと私は考えます。

なぜか?

それは、親だから。

子の未来に責任があるから。

 

さて。

ゼネラルクラスは新入門者あり。

基礎からじっくり稽古していただきました。

基本稽古、移動稽古。

砂袋鍛錬、巻藁鍛錬、大型タイヤ鍛錬へと。

基本的な空手道の身体操作を学ぶと同時に、

手足を武器化するための稽古は必須です。

後半は組手稽古へと。

中段突きと下段回し蹴りのオフェンスとディフェンスを、

一般的に知られている動作から私の道場で教える秘密のコツの伝授まで。

空手道の技術も精神性も、

急には身につきません。

「涵養」です。

人生100年時代に突入します。

40代50代はまだまだハナタレ小僧です。

楽しみながら、心身の健康と楽しい人生を手に入れましょう。