価値観は人それぞれです。
最近は特に多様性の時代で、マイノリティの意見も尊重されます。
空手の世界はどうでしょうか?
返事が「押忍(YES)」だけという、パワハラが蔓延する世界に見えるかもしれません。
でも実は、正しい道に導いている指導だと考えたらどのように見えるでしょうか?
痛い・苦しい・辛いは、誰もが避けたいものです。
しかし、それに敢えて挑むのが空手道の世界です。
弟子「◯◯は避けたいな…」
師「◯◯をしなさい。」
弟子「押忍…」
後に、師に感謝する時が必ず来ます。
自身では選択しなかった道を、師からの後押しを受けた事でステージが上がるという事が多々あります。
パワハラが蔓延と書きましたが、誤解が無いようにお願いいたします。
イジメではありません。
弟子の成長を願って、弟子がそれに挑むタイミングの時に師がそれを指示するのです。
即やる事もあれば、十分に準備期間を設けた後に挑むものもあります。
弟子が望んでも早すぎれば却下されるでしょうし、
弟子が時期尚早と思っていてもGOサインが出る事もあるかもしれません。
私は来年で空手修行歴が40年になります。
その中で、師からの指示にしっかりと従ったものもありますし、実は従わなかったものもあります。
いま後悔している事は、師からの指示に従わなかった事柄です。
私の師は無理強いする方では無かったので、
そうか、と言ってその話が無かったことにしてくれました。
その時は楽になりました。
でも、長い空手道人生の中で、あの時にあれをしていれば!と今はとても後悔しています。
師は、一人一人の弟子の事を考えて、助言します。
今は私がその立場になりました。
全体にではなく、一人の弟子に向かって助言・アドバイスをする時は、本当に考えに考え抜いてから話をします。
人生を変えてしまう事になるかもしれない事もあるので。
話がそれてしまいましたが、変えてはならないものがあります。
それは、黒帯の価値です。
獅子は我が子を千尋の谷に落とす、という太平記からのことわざがあります。
まさに、
昇段審査は、
我が子同然と思っている大切な愛弟子を、
千尋の谷に落とす事です。
そこから這い上がって来れた者が、
先輩たちと同じ、金筋の入った黒帯を腰に巻けるのです。
今回は未成年三人という、今までで初めての昇段審査になります。
やっぱり今回は止めておく、という選択肢もあります。
親心から言いますが、
8ヶ月の準備期間がありました。
その期間で、準備が十分では無かったと思う人は、今回の受審は止めておいた方が良いかもしれません。
技や体力の前に、心が磨かれていなかったら、
先輩方と同じ黒帯を腰に巻く資格が無いので。
高松北教室。
高松東道場。
高松中央道場。