母子分離という言葉をご存じでしょうか?
よく聞かれるのが、
保育園や幼稚園に送った朝、
「子どもが泣いて、親から離れてくれなくて困った」というお話で。
実は、それは母子分離ではありません。
子が、親が一番大好きなのは当たり前の事ですから。
で、
母子分離は、2つの事柄から成り立ちます。
一つは、
子が、親以外の大人が取り仕切るグループに属せる事。
もう一つは、
親が、子から離れる事が出来る事、です。
この二つが成立していて、母子分離が出来ている、となります。
子だけの責任じゃないんです。
実際、子から本当の意味で離れることが出来ない親がたくさんいます。
時期ですが、「3才半までに」です。
3才児健診でお世話になる保健師さんや、保育園や幼稚園の先生は、
子どもの発達状態を、母子分離ができているかどうかを見て判断しています。
特に、自閉症や自閉症スペクトラムのお子さんや、
親子関係が正常ではない子を早期発見する際に、母子分離のチェックは重要になります。
私の道場では、原則として親の見学を禁止させて頂いております。
それはなぜか?
いくつかの理由があるのですが、
そのうちのひとつが、母子分離のチェックのためです。
見学はお断りしていますと言っているのに、
「いや、ちょっとだけ」と言って、毎回中に入って来ていたご家庭がありました。
数か月から1年後には、うちの道場からいなくなっています。
青い鳥を探して、旅に出て行かれて…
見る・聞くが著しく出来ない、
年齢相応に、右と左の区別が出来ない、
入門して一年以上経っているのに、未だに帯が締められない。
挨拶・返事でしょっちゅう注意を受ける。
時間にルーズ。
そして最も特徴的なのが、
姿勢が悪く、
正座・黙想が出来ない、です。
みなさん、母子分離に、「?」が見られるご家庭のお子さんです。
うちの道場で、1年以内、または数か月で退会して行く子は、上記の傾向が強く見られる子です。
逆に、2年や3年で辞める子はほぼ皆無です。
みんな、生活環境や転居などで、どうしても空手が継続できなくなった人が退会して行きます。
では、どのような子が母子分離がスムーズに出来るのかというと、
3才までに、親にしっかりと甘える事ができた子です。
親の愛情をたっぷりと受けた子は、親を心から信頼しています。
親は絶対に自分を裏切ったり見捨てたりしない、と。
で、親にしっかり甘えた子どもが、
関心を外の世界に向け、
お父さんやお母さん無しで、
自分の力で行動してみよう、とするのです。
と、
長々と書いたのは、
見学お断りの理由を説明したかったからです。
誰の為の見学お断りなのか?
それは、お子さんの為なのです。
もっというと、お子さんの成長の為です。
体操教室とか学習塾ではなく、
「道場」に、家の宝であるお子さんをお預け下さいました。
誠にありがとうございます。
預かったからには、きっちりと磨き上げる義務が私にはあると思っています。
ご理解を頂けたらと存じます。
とは言いましても、
学校に「授業参観日」があるように、
道場でも、たまには「稽古参観日」があっても良いのかなと思い始めました。
以前は親子空手教室とかをやっていましたが、
それは普段の稽古とは、全く違う内容のモノをしていたワケです。
普段の稽古をそのままに見てもらう日を、たまには作った方が良いのかな…
どのような方式が良いのか、もう少し考えさせて下さい。
例えば、第4週の稽古は保護者の見学をOKにします、とかが良いのかなとか思ったり…
ご意見やご要望がありましたら、私までお声掛け頂けたらと存じます。