全員が強くなる道場

3月末で、高松中央道場開設10周年を迎えます♪
高松中央道場は、開設以来ずっと応援して下さっている企業様がおられます。
       

クリクラ三谷中央 様、
株式会社高井土建 様、
SS篠原商事株式会社 様、
幸福産業株式会社 様、
そして、
リュウマンホールディング株式会社 様。
       

10年もの長き間、誠にありがとうございます。
そして、これからも宜しくお願い致します。
(※何かのご入用の際、上記の企業様を御贔屓にお願いしたいと願います。)
       

10周年記念イベントを何か行いたいと思いますが、
密になることや4人以上の会食は厳禁の昨今です。
どうしたものか・・・
       

さて。
高松北教室では、サポーター類を装着しての組手の稽古が始まりました。
組手稽古と言いましても、しばらくは「約束組手」と「限定組手」で稽古していきます。
私が入門した頃は、組手の技術を段階的にかつ理論的に教えてくれる事は皆無で、
「軽いスパーリング」などはありませんでした。
どういう事になるのかと言いますと、
基本稽古と移動稽古しか習っていない状態で、
「ケンカのつもりでかかってこい!」な稽古指導です。
根性は鍛えられます。
       

あ、サポーターもありませんでした。
素手素足の組手です。
       

師範や先輩は、軽く攻撃してくれる、
なんてことはありません★
一撃で倒そうとしてきます(´・ω`・)エッ?
       

元々フィジカルが高い人はついていけます。
しかし、
そうではない人は、早期に脱落していきます★
       

心や体が弱い人が、
自分を変えたくて、
そして、強くなりたくて、
勇気を出して空手道場に入ったのに、
元々強い人しか強くなれないという稽古システムでありました★
(こんな事を書くと怒られるのかもしれませんが・・・)
       

そんな事から、
私の組手稽古の指導は、
理論的な技術を段階的に習得して頂くように導きます。
なぜなら、
自身が入門した36年前、
早期に脱落していく人たちを横目に見ながら、
自分が先生だったら、
段階を踏んできちんとに教えるのになぁ、と思っていたからです。
       
道場は、体の出来ている強い人が更に強くなる場ではなく、
誰もが自身の希望に沿って強く・上手くなれる場で無くてはならない、と。
そんな思いから、
19歳で稽古指導を任せて頂くようになった時から、
どんな人でも、組手が上達するシステムを考えて指導に当たっています。
       

基本稽古・移動稽古・型稽古がきちんと出来るからと言って、
組手が強くなるワケではありません。
残念ながら・・・
しかし、
基本・移動・型がきちんと出来る人は、
忍耐力が強くて心が美しい人です。
社会的には素晴らしい人です。
       

組手は、
運動神経が良くて、(または体が大きくて)
かつ性格が悪い人の方が早期に芽が出たりします。
残念ながら・・・★
       

私は、基本・移動・型がきちんと出来る人にこそ、
組手も強くなってほしいと願います。
       

ですので、
私の組手稽古の指導は、
先制攻撃のパターンと、
それに対する受け、
そして受け+返し、というように、
基本・移動・型稽古の延長上に組手稽古があるように、
細かくシチュエーションを分けた所から始めます。
       

先制攻撃は、崩し→決めのメカニズムを理解してもらうために、
最初に稽古して頂く技は、左順突きから右縦拳下突きのコンビネーションです。
急所である水月を、利き手である右手でいきなり強く打とうと思っても打てません。
なぜなら、相手は半身で構えているからです。
右の強打を入れる為に、「崩し」が必要になります。
この「崩しから決め技へ」の発想は、
今後、自身で得意技を身に着けていく上でもとても重要な思考になります。
       

仕事でも同じかもしれませんね。
私にもサラリーマン時代があったのですが、
その時に上司から学んだことが、
「段取り八分」という言葉です。
当日に現場で仕事が始まる訳ですが、
その前の段取りの時点で、80%の仕事は終わっているという意味です。
香川中央支部主催の大会を初めて数年の頃は、
段取り八分のつもりが二分三分しか出来ておらず、
当日にてんてこ舞いしていた事が思い出されます。
       
話が逸れました★
       
このコンボの場合、左順突きが80%の役割を負っているワケです。
しかし、左順突きで一本や技ありを取れることはまずありません。
メインは右縦拳下突きでありますが、
これはこれで、きちんと必倒の技として完成していないといけません。
       
左順突きがあるからこそ、右縦拳下突きが活きる。
右縦拳下突きを活かすために、確実な崩し技である左順突きが必要になる、と。
       
車の両輪のように、崩し技と決め技はセットで習得しなければならないのです。
ちなみに、なぜ右縦拳下突きを決め技としたコンボから指導するのかと言いますと、
私が私の師と組手稽古をする際に、最も怖かった技がこのコンボだったからです。
私の師は、上段の蹴り技のイメージが強いお方ですが、
私は、師の右縦拳下突きが一番の恐怖の技でした。
       

強すぎる。
なにより速すぎる。
絶対に受けが間に合わない。
なぜ?
その前の左順突きで見事に体勢を崩されているから。
その事に気付くのに随分かかりました。
非常にシンプルなコンビネーションでありますが、
極めると、とてつもない武器になる技です。

       

蹴りは、初心者に前足の蹴りから教えると、
腰の引けた蹴りになり、蹴ったことで自身の体勢が崩れる事になります。
ということで、
初心者に教えるのは、右の中段廻し蹴りからがベストです。
その中で、直角に技を当てないと効かないという事と、
当てるだけでなく、その先の「振り抜き(フォロースルー)」が重要な技術である事を体験して頂きます。
右の中段廻し蹴りが上手に蹴れるようになりますと、
少し高くした上段廻し蹴り、
少し低くした下段廻し蹴り、
角度を変えれば前蹴り、
膝のスナップを使わずに腰で蹴る膝蹴りへと進んで頂きます。
       

ここから、左の蹴りに入ります。
左の蹴りは、前足から蹴るものからスタートです。
猫足立ちの意識から、膝のスナップを意識した蹴りの稽古です。
スナップの蹴りですから、膝の抱え込みが重要になります。
前足で蹴れるようになったら、軸足を寄せ足して蹴るようにします。
騎馬立ちの移動稽古の際の運足の応用です。
そして、スイッチステップから蹴れるようになったら完成です。
       

後は各種の蹴りに、手技の動きを混ぜながら蹴れるように稽古していきます。
受け返しや、クロスカウンターで蹴れるようにも稽古していきます。
定位置で蹴れるようになったら、相手との距離や角度を意識的に操作しながら蹴れるように。
       

ここまで出来るようになって、
スパーリングを始めるべきなのです。
       

スパーリングになると、「かけ引き」が存在します。
それぞれの攻撃技や受け技が出来るだけでなく、
誘い・だまし・虚をつくことなどが必要になり、
それらが上手く出来ないと、
そう簡単に技が決まらないのです。
この段階まで来たら、左の重要性が分かってきます。
倒しに直結するのは、左の突き蹴りです。
急所であるレバーを攻撃できます。
右手はレバーのガードに使います。
半身に構えているので右の突き蹴りは入りにくいけど、
左の技は全て急所を捉えるように打つことが出来ます。
       
この段階で、技が決まらないからと言って、
フィジカルを上げる事ばかりに夢中になり、
グチャグチャ組手の道に入ってしまう人も少なからず★
       

今日は珍しく、技術の話を書いてしまいました★★★
技術の話を書き始めますと、私は止まらなくなってしまいます(;^_^A
同じく、筋トレに関しても。
そんなわけで、普段は書かないようにしていますが、
今日は高松北教室のみなさんの上達を願って書いてしまいました。
書こうと思えば、このまま朝までかけてしまうかもしれませんが、
この辺で止めておきます☆
       

今日の高松中央道場、スパークラスに参加の高校生以上のみなさんと。