今週の稽古はどのクラスも昇級審査対策の稽古で、私は予備校の講師のような稽古指導をしています。
「これ、出るぞ~! 覚えとけ~!!」
みたいな感じです。
で、今日は東道場のジュニアクラスの最後に、ボール蹴り(跳び二段蹴り)の稽古をしました。
私が、「帯が上の人からひとりずつ前に出るように」というと、こうきが出てきました。
彼は自己顕示欲の強い「自分が自分が」の人間ではなく、また体格も小柄なので組手の稽古でも圧倒的な力量を見せるわけでもありません。
よって、下の帯の子たちも、彼に一目置いているような雰囲気はあり
ません。
しかし今日です。
いつもより大分高く設定された標的を見て、どの子もあきらめムードでした。
「高すぎる」
「蹴れるわけない」
そんな声が聞こえました。
そこへ一番手のこうきが登場です。
こうきは色帯の中でも背が低い方です。
その標的は、こうきの頭のてっぺんよりもゆうに30cmは上にありました。
みんな、「こうきに蹴れるわけない」みたいな空気でした。
しかし!
「せいっ!!」
「パシッ!!」
見事に蹴って見せてくれました。
道場内、大拍手でした。
これでこうきも一目置かれる存在になりました☆
その後に続いたみんなも、蹴れないかもしれないけど全力で挑んでみよう、という雰囲気になり良い稽古ができました。
結果的にはほとんどの子が蹴れなかったのですが、必死でがんばった成果もあって、どの子も跳び蹴りのレベルがワンランク上がったように思いました。
「物事を達成できる人間は、達成するための方法を探し出す。」
「物事を達成できない人間は、できない理由を探し出す。」
昔聞いた言葉ですが、今日のこうきと東道場の子供たちを見ていて思い出しました。
一番手のプレッシャーの中、どのようにしたら蹴れるかを考えて実行したこうき、そしてどのようにしたら高く飛べるかを真剣に考えた子供たち。
今日の経験を忘れずにいてほしいと思います。