厳密には、もっともっと前からですが。
特に強く思い出したのは今春から。
ここには一度も書いたことがありません。
世間ではこう言われているそうです。
「小1プロブレム」と。
どうして話を聞けないのか?
なぜ真剣に稽古ができないのか?
厳しく叱ったら、9割以上の子はきちんとできるようになります。
親御さんも、「きちんとしていなかったら厳しく叱って下さい」と9割以上の方がおっしゃいます。
道場というところに、厳しさを求めている方が多いです。
私のキッズクラスへの指導は、基本的に「褒め殺し」です。
何を褒めるのかというと、
「真面目に稽古していること」
「頑張っていること」についてです。
上手い下手は関係ありません。
ましてや試合で負けたからと言って叱りつけることなど絶対にありません。
そして、出来なかったことが出来るようになったなどの「上達」が目に見えた時は、これでもかと褒めちぎります。
私は出来る限り分かりやすく説明し、手本を見せます。
子供たちは小さい体をせいいっぱい動かして頑張ります。
稽古中、幼い子供たちは褒めてほしいサインを送ってきます。
口では言いませんが、
「せんせー、ボク頑張っとるよ、できるようになったよ!」と。
それを私は出来る限り見逃さないようにします。
そして、みんなの前で褒めまくります。
みんな、褒めてほしいから頑張ります。
その結果、みんな上達します☆
頑張ればできるようになる、という経験を幼いうちからたくさん積んでほしいのです。
キッズクラスの年齢なら、将来、医者にも弁護士にも博士にも大臣にも世界チャンピオンにもなれる可能性を十分に秘めているワケです。
「目標に向かって頑張る」ということを習慣化してほしいのです。
しかし、いくら叱っても、ごく一部には話が聞けず、そして真剣に稽古できない子が居る。
私はキッズクラスの子にはほとんど叱ることはありません。
しかし、挨拶、返事、靴の揃えは厳しく指導します。
また、他人に迷惑をかけることについては特に厳しく叱ります。
叱るのは上記についてのみです。
一割にも満たない方々ですが、入門後しばらくして親御さんが道場に電話してくる、または直接話をしたいと言って来ることがあります。
「うちの子が、叱られるばかりで道場に行きたくないと言っている。うちの子は本当に善人で良い子なので、良いところを見つけて、そこを誉めてやって伸ばすようにしてくれないか?」
と、どの方も判で付いたように同じコトを仰る。
中には、私がそこの子を注意している場面を見て、
「お金を払っているのに何でうちの子を叱るんですか!!!!」
と激怒してくる親御さんも居ました。
そこの子には即、辞めてもらいましたが。
何を叱られているかを考えてくれないと…って思うのですが分からないんですかねぇ。
教育の専門家ではないので、「コレが正解」とは言えませんが、なんとなく分かってきたことがあります。
話を「聞かない」のではなく、「聞けない」のではないんじゃないか、と。
「聞く能力」が欠如しているということです。
また、周辺の雰囲気を読む(いわゆる、「空気を読む」)という、
「コミュニケーション能力」が育っていないのではないか、と。
教育の本職である、全国の小学校の先生が悩んでいらっしゃるとのことです。
私ごとき武道家が悩むのも無理はないでしょう。
私は教育者ではなく、武道家です。
ですから、道場で実践しているのは「押忍」の言葉に集約される武道教育です。
理解できない人に如何に理解してもらうか。
難しいです。
幼稚園児に数学を教えるようなものになってしまうのか…