大丈夫、また会える

「大丈夫、また会える。」
道場生だった長男くんが、
「お母さんに会いたい!」と言って、泣き崩れる三男くんにかけた言葉です。
長男くん、
空手の方は、
頑張ってはいましたが、それほど強くはなれませんでした。
四国錬成大会で、1度だけ3位に入賞した事があったかと思います。
ですが、今日の彼は強かったです。
最初から最後まで、全く泣きませんでした。
喪主であるお父さんと二人の弟を、ずっと勇気づけておりました。
いつもと変わらない、明るい彼のままでした。
「強さ」とは、
「変わらない事」と昔から子どもたちに語り掛けています。
この言葉には、たくさんの意味があります。
で、
長男くんが道場に通ってくれていた頃は、その強さに私は気付きませんでした。
型も組手も苦手で、でも飛びっきり明るくて。
その姿を、お母さまがいつも嘆かれていて…
ですが、
大人になった彼は、強い男です。
今日、本当に強い男だと私は思いました。
君のような教え子がいること、私は誇りに思います。
お母さまも、安心して天国から見ていることでしょう。
お通夜にて、初期の道場をサポートして下さった保護者のみなさまと久々に再会しました。
再会はとても嬉しく、
10数年前にタイムスリップしたような感がありましたが、
まさか、Bさんのお通夜の席で再会する事になるとは…
読経されていた住職様が最後にお話されていました。
仏教には、「四苦」という言葉がある。
病・老・死。
そして、生である、と。
病気をしたり、ケガをしたりする事は苦です。
同様に、年老いて身体が不自由になる事も苦です。
死は言わずもなが苦であります。
上記の苦は、全て「生」を受けた事から始まります。
なので、生も苦である、と。
自分が思うようにならないモノが「苦」で、それをいかに受け入れるか、と。
苦をいかに受け入れるか、深い言葉です。
私の心に突き刺さりました。
そして、
この世での姿は仮の姿で、
また元の、仏の姿に帰って行くのが死である、と。
死は、旅立ちの儀式なのだ、というようなお話をされていました。
長男くんが弟にかけた、「大丈夫、また会える。」の言葉。
強くて優しい男の言葉です。
いつの日か、またどこかで…