武器

そういえば今日は写真を撮らなかったな★
ということで、久しぶりに写真のないブログです。
さて、昨日の徳島西南支部の逢坂師範のブログで、
「稽古に集中しきれない子はこの形が決まらない、
 
 または形が決められてもすぐに形を崩してしまいます。

 稽古に集中しきれない子の組手は惨憺たるものですが、

 その原因は組手に至るまでの稽古に集中力を欠くことが最大の原因です。」


と、ありました。

そうです、正にその通りです。

この最近の私の大きな悩みでした。

不思議なモノで、
季節の変わり目の頃、同じ系統の子が退会していきます。
どのような子かというと、
組手が極端に苦手な子や、型が全く覚えられない子です。
その子たちの共通点ですが、
基本や移動稽古時に「形をすぐに崩してしまう事」です。
また、
説明している時に「見ていない」「聞いていない」です。
保護者の方が、「うちの子はどうしても組手が出来ないようなので…」と言って退会の手続きに来られますが、
実は稽古開始時の整列から出来ていないのです。
周りを見ていないし、ずれていることに気付かないから、並ぶことが出来ない。
準備運動も、基本稽古も、移動稽古も、ミット稽古も出来ていません。
なぜなら、お手本を見せたり説明をしている時に、見ていない・聞いていないから。
見ていない・聞いていないが一番顕著に現れるのが、
対人稽古となる「組手」です。
空手が向いていないのではなく、
見る・聞く力が著しく低く、
コミュニケーション能力が低いから、
相手が何をしようとしているのかに全く気付く事が出来ないので、
組手が極端に苦手になるのです。
低学年のうちは、学校の勉強もそんなに難しくないから何とかなるでしょう。
しかし、高学年になってくると、そんなに簡単なものではなくなってきます。
見る力と聞く力は、幼いうちにこそ身に着けさせておかなければならないのです。
私の道場では、
そのような力をつけてもらう為に、
お手本や説明は、あえて一回しかしないようにしています。
見ていなかった、聞いていなかったことで、
とても困る経験をさせるようにしています。
意地悪なようですが、人間は困った経験をするのが一番の「クスリ」になります。
「聞いてなくて困ったので、次からはしっかり聞こう」という思考になるように。
残念ながら、この辺りを理解してくれず、
「先生がきちんと教えてくれないから、子どもが空手に行きたくないと言っている」というクレームを頂く事があります…★
また、
毎回のように同じ物を忘れて帰って行く子で、
その日も、組手で何度もノーガードになるので上段廻し蹴りを何度ももらい、
他の事についても何度も全く同じ注意をしても改善されず…
幼稚園児や小1とかの子ではありません。
集中力・注意力の欠如について厳しく注意・指導したら、次回の稽古時にお母さんとやって来て「退会する」と…
注意とかしなければ良かったのでしょうか?
でも、それでは道場ではなくなってしまうし、何よりその子の為にならないと思います。
悩みます…
ただ楽しいだけの場所や時間を提供する場所は道場ではない、と私は考えます。
子どもたちが将来、あの道場で空手をしていて良かった、と思ってくれる場でないと。
社会に出た時に戦う際、様々な武器が必要になります。
まずは学歴が代表的な武器でしょうか。
その次は各種の資格だったりするのでしょうか。
ここまでの武器は、
実はほとんどの人が持っているものなので、他者とのアドバンテージにはさほどなりません。
余程の高学歴だったり、医師免許や弁護士資格ぐらいでなかったら。
実際に大きな差になるのは、
コミュニケーション能力だったり、
克己心だったり、
観察力や洞察力だったり、
丈夫で健康な心や身体だったりします。
これらの力が養われるよう、当道場では子どもたちに指導しています。
分からない人は仕方ないですが、出来るだけたくさんの人にお分かりいただけたらと思います。