日曜日の昇級審査会を終えて、様々な声が聞こえてきます。
その中のひとつに、「組手で負けたから昇級出来ないのかな?」というものがありました。
結論を先に言いますと、そんな事はありません。
試合では勝てば良い、というか、
内容よりも、勝つことを目標に頑張ります。
審査会は、そうではありません。
内容が全てです。
まず、
今から対戦する相手に対し、礼法がきちんとできるのか。
弱い人間は強がって見せます。
礼ができません。
反対に、威嚇するような姿勢を見せたりします。
組手はケンカではない。
でも、ダンスでもない。
直接打撃制の組手という心身ともに緊張する場で、
相手を尊重した態度が取れるかどうかということが大切な事なのです。
武道修行の大切な要素の一つが組手稽古です。
全てがここ(開始時の礼)に現れます。
そして、組手にはルールがあります
ルールを遵守した組手ができているか。
反則アピールなどの、試合でもNGな行為をすることはないか。
正しい精神性を持って戦えているか。
連続組手の挑戦者は、
途中で気持ちが折れる事と、
何よりも狡さが表に出てはダメです。
誠実に最初から最後まで戦い抜く。
誰とか?
自分自身とです。
審査会の組手では、その場でジャッジがされます。
しかし、ミスジャッジも多数あります。
私と、師範代がいつも審査をしていますが、
その時のジャッジのままで勝ち負けを付けていません。
ジャッジ係がミスジャッジをしている場合、採点表には真反対の結果を記録しています。
審査結果は、そちらの記録が反映されます。
勝ち負けも大切ですが、
「礼」がきちんとできているか、きちんと「間合いを取っての空手の組手」ができているか、
「押しや掴みや止めの後の攻撃」といった、「ルール違反の攻撃」をしていないか。
「間合いの操作」、「美しい鋭い攻撃」、「受け」、「受け返し」、「相手の呼吸を読んだ動作」ができているか。
これらで点数を付けています。
審査会の組手は、勝ち負けはあまり関係ありません。
上記の採点項目が出来ている上での勝ちであれば、最高点が付くことになります。
礼の段階から減点になっていては、良い成績には絶対になりません。
上記項目をきちんと意識した組手ができていれば、
判定上では負けていても、良い点数が付いている人もいます。