審査とは

合否が付くので、ある種の資格試験の部類に入るのかもしれませんが、私は少し違うニュアンスを持っていただきたく思います。

受かったから「やった~」
落ちたから「あ~ぁ…」
ではなく、自分の実力(技だけでなく、体力や精神力も含む)を計る機会として考えてもらいたいです。
また、いま現在の実力に気づけたことに、素直に感謝してほしいと思います。

足りないところが分かったら、明日からの稽古で埋めれば良いのです。
実力が伸びていると感じることができれば、今までやってきた稽古は間違っていないということが分かると思います。

学生の頃、「身体測定」というものがありましたが、空手の審査会は、「心技体の測定」といったところではないでしょうか。

受審したみなさん。
心が強くなっていることを実感できましたか?
実感できなかった人は、明日からの稽古の取り組み方を考え直してみましょう。
技はどうでしょうか?
基本の技は、体を合理的に使う術を身に着けるために稽古しています。
疲れにくくなっていますか?
そして最大出力は上がっていますか?
白帯も緑帯も同じ「正拳中段突き」をしますが、同じ突きであってはいけません。
現在色帯を締めているみなさんは、自分が白帯だった頃よりも上達しているでしょうか?
隣に居る人と比べるものではないのです。
過去の自分自身との比較です。
審査している私は、細かな動作がきちんとできているかも見ていますが、その人物が以前の審査会時より進歩しているかどうかを一番重視して見ています。
体力審査については、たとえば腕立て伏せであれば、単に回数をこなす作業であってはいけません。
「ズルをしよう」「楽をしよう」という弱い自分に打ち克てているかが最重要です。
そういう意味で、最初の一回目から下まで深く降ろせているかを見ています。
実は一番重視して見ているのは「一回目」です。
「一回目」で手を抜いている人には良い点をつけません。
そして「二十回目」ぐらいもよく見ています。
きつくなってきたところで「自分に負けていないか?」です。
規定回数を完遂できるかどうかは大した問題ではありません。
もちろん完遂できるに越したことはありませんが。
審査会ごとに、精神力と技術力と体力を、少しずつで良いので向上させていけるようになってください。

さて、現在頑張って採点しています。
約束通り、水曜日に結果の掲示と成績表の配布を行いますので期待してお持ち下さい。

道場生の皆さんは、さっそく明日の稽古から、次回の審査会での心技体の測定を目指して頑張ってください。