試合論1

どんな小さな大会でも、「勝つ」ということはすごく難しい事です。
まず、試合の日に体調が良いこと。
これが実は難しいのです。
風邪をひいてしまったり、仕事中にケガをしてしまったり…
稽古を十分にしてきたのだから、自分の体調の管理に、試合前の一週間は神経質すぎるぐらいに気をつけてもらいたいと思います。
試合当日に向けてのコンディション作りも、立派なカラテの技術であると思います。

コンディション上々で試合当日を迎えたとしましょう。
まずは一回戦から始まります。シードの人も「初戦」という意味での一回戦。

一回戦を勝てる人は全体の半分しかいません。
なんと、いきなり50%の人の努力が水の泡になってしまうのです。
これは相当な難関です。
「一回戦なんかで負けやがって!」と怒鳴りちらしている先生、親御さんをたまに見かけますが、あなたは世間で半分より上の地位にいますか?と、私はその光景を横目で見ながら思っています。
一回戦を勝つことは難しいんです。何しろ相手に対する情報は全く無いし、朝イチで体も動かない。そんな状況で勝った選手を褒めるべきで、負けた選手を罵倒するのはおかしいと思うのが私の考えです。

ニ回戦になると、相手の一回戦での情報がありますから、幾分気持ちが楽になります。
右利きか左利きかが分かるだけでも大きな情報だし、得意な技や戦い方が分かれば最高です。

しかし一回戦の場合、このような情報は相手が有名選手である場合を除けば、全く無いまま戦う事になります。私も一回戦がいつも一番恐かったです。

上記のような理由で、一回戦を勝つということはすごく難しいことなのです。
そして、一回戦こそウォーミングアップを十分にこなして、気力・体力ともに充実させて臨まねばならない試合なのです!