感謝の心

大会時、来賓の方のご挨拶があります。

みなさん、きちんと聞いていますかね?

試合に出ていた頃の私は、

右の耳から入って

左の耳から抜けていく

そのような状態だったので、選手のみなさんに

「ちゃんと聞くように!」と偉そうにいえませんが…

私の道場も、
小さいなりにも大勢のみなさんをお招きして行う大会を開催するようになった今、
毎回の開会式と閉会式の挨拶に悩んでおります。
そのような状況に自分がなったことで、他の人のスピーチがもの凄く気になる気になる…

真剣に聞いてみると(今まですみませんでした)、みなさん本当に素晴らしいことを言っておられます。

今回、最も印象に残ったことは以下に。

「武道では最初と最後に必ず 礼 をおこなう。
  試合後だけでなく、これから戦う相手に対しても礼をする。
  非常に素晴らしいことです。
 
  なぜ礼をするのか?
 
 それは、相手がいないとできないことをするから。
  その相手に対して感謝するため。
 
  人間、一人でできることなんか知れているんです。
  武道を学んでいる人はそれが分っている。
  非常に素晴らしいことです!」

とのお話がありました。

また、大会パンフレットの5ページ目、

「自分のことだけでなく、仲間や後輩のことも考えて気合いをいれろ」

と、三好師範の指導中の写真の注釈での言葉。

「自分勝手な心」は、武道の世界ではありえない心です。

今大会、

当道場生につきましては、結果もですがそれ以上に

「残念」のひとことに尽きることがいくつかありました。

朝、私に挨拶にきた道場生数、0人。
(保護者は何人か来てくれました)

試合結果の報告にきた道場生数、0人。

まぁ、私もあちこちに行ったり来たりしているから仕方ないとして…

試合後、セコンドについてくれ、声を嗄らしながら大声で応援してくれた先輩、仲間に
「ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べていた生徒数は、私が見た限りでは0人。

朝、集合をかけて集まった選手数、21人中17人。

面と向かって言う人は居ないが、
「今からアップをしたいのに、なんで集まらないといけないのか?」
との疑問の声も少し耳に…

うちの道場生のみなさん。
私にはみなさんが自分勝手な人だらけに見えました。

情けなかったです。

これも全て私の日頃の指導結果なのでしょう。

真摯に受け止めます。

師と弟子、先輩と後輩、広い意味でみんな仲間です。
師から弟子、先輩から後輩へと受け継いでいかなければならないものがあります。
昨日の試合結果も、朝のみなさんの心の持ちようを垣間見たことで大体の予想がつきました。

昨日の選手の中で、

「自分ひとりで強くなった」

と言い切れる人は何人いるでしょうか?

師がおり、先輩がおり、仲間、後輩がいたから強くなれたんでしょう。
そして、今現在も強くなり続けているのでしょう。

道場によっては、

大会の時にしてはいけないこと、
応援のマナー、

などを書いたプリントを配っているところもあるようです。
(それが悪いというワケではありません)
うちも、「ブログにでもそのようなことを書いてほしい」
というようなことを言ってこられた保護者の方がいらっしゃいました。

そんなこと

(挨拶しましょう、
  
 試合経験の浅い後輩を思いやりましょう、
  
 仲間を大切にしましょう、
  
 対戦相手に野次を飛ばしちゃダメですよ、
  
 試合で負けたわが子を殴っちゃダメですよ、etc…)

を説明しないと分かってもらえないのが悲しいです。

道場に入るときに、

「おねがいします」

帰宅するときに、

「ありがとうございました」

稽古が終わったら「清掃」。
(私はみなさんが来る前にも、稽古前の道場内を一人で清掃しています)

試合場に入る前、出る時のそれぞれに試合場に向かい、十字を切って「押忍!」と礼をする。

なぜでしょう?

しないと先生や先輩に怒られるから?
みんなしているから?

だったら悲しいです。

私はこう考えています。

自分を活かし、

魂を磨き、

輝かせてくれる。

そんな場に感謝する気持ちから、

自然に沸き起こる行為である、と。

そして、師、先輩、後輩といった仲間に感謝する。

今日は稽古後、このような話を五分ぐらい使ってさせてもらいました。
考えてみると、普段、このようなことをあまり言っていないですね。反省。

新極真会の理念は、

「心 極める」です。

「体を鍛え、試合で有効なテクニックを覚えて、試合で勝ちさえすれば良い空手!」では決してありません。

今日は厳しいことを書かせてもらいました。
反論したい人もいるかもしれません。

「意味分らんわ!」という人に、辞めてくれって言うのは簡単です。

そういう人にこそ、感謝の気持ちが分る人になってもらえるように指導して行きたいです。